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かしこい遺言書を残そう!
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公正証書遺言、自筆証書遺言の作り方
公正証書遺言が無効とされるケースとは? 遺言書は満15歳以上であれば誰でも作れます(民法第961条)が、遺言作成時には遺言能力を 有することが必要とされます(民法第963条)。 遺言能力は、意思能力(7歳の子供程度の知能)で足りるとされています。 人の最終意思を最大限尊重する見地からかなり低い精神能力でも構わないのです。 しかし、遺言能力に関する明確な判断基準はなく、公証人による遺言者の能力確認もほとんど 機能していないなどにより、特に高齢者の公正証書遺言が裁判で無効とされるケースが時々発生 しています。 |
<裁判で公正証書遺言が無効とされた事例> A 遺言者は64歳の時脳溢血で倒れ、11年後に遺言書を作成。 弁護士が遺言者の不明確な言葉 からその意思を忖度して原案をまとめた。 → 遺言当時「有効に遺言をなしうるために必要な行為の結果を弁識・判断するに足りるだけ の精神能力を欠いていた」 (東京高裁昭和52年10月13日判決) B 遺言者が96歳の時に、死亡危急時遺言。 知人Aに3800万円の預金を遺贈した。 病室に来た弁護士がAからその内容を聞き、遺言者に確認したところ「アー」「ウー」に近い声で 頷いたので、Aから聞いた通り遺言書を作成。 → 「本件遺言の内容が果たして全面的に遺言者の真意に出たものであると認め得るかについて は多大な疑問が生じるのを禁じえない」(東京高裁平成3年11月20日決定 原審差戻し) C 遺言者が78歳の時、全財産を中学卒業以来ほとんど交際のない弁護士に遺贈した。 → 「遺言者は表面的な受け答えが出来るだけで、老人特有の中等程度ないしは高度の 痴呆状態にあったものと推認され、本件遺言当時、遺言行為の重大な結果を弁識する に足るだけの精神能力を有しておらない」 (名古屋高裁平成5年6月29日判決) D 遺言者に遺言能力はあったが、意識の状態は相当低下していて原案作成に遺言者が直接関与し ていなかったケース。 → 「公証人が遺言内容を読み聞かせ、これに対して遺言者は一言も言葉を発することなく、 ハーとかハイとか単なる返事の言葉を発したに過ぎず、遺言者の真意の確認方法とし ては確実な方法が採られたと評価出来ない。 ・・・・この程度の遺言者関与では・・・・ 遺言の内容の口述がなされたとは評価することが出来ない」 (東京地裁平成11年9月16日判決) E 公正証書遺言の作成時に立ち会った証人が、証人になれない欠格者であった。 → 「当該公正証書は方式違背の瑕疵により公正証書遺言としての効力を有しない。 ただし、死因贈与について作成されたものと認められる」 (東京地裁平成10年6月29日判決) F 遺産相続について一切妻にまかせる旨の遺言 → 「本件遺言の趣旨は、遺産一切を妻の自由処分にまかせ同人ら包括的に遺贈する 趣旨に解することもできないではないから一見明白に無効とは言い難い」 (東京高裁平成9年8月6日決定 原審判取消して差し戻す) |
<遺言が裁判で有効とされたケース> G 遺言者は能軟化症の為言語が不明瞭で公証人に分かり難かったので、証人の一人日頃看護して いた看護婦に通訳させて公正証書遺言を作成。 → 「意識は確かで判断力もあり、自己の行為の結果を認識しうる精神能力である意思能力は 有していた」 (大阪高裁昭和57年3月31日判決) H 遺言者は高血圧性脳症により意識不明となり入院し、退院の3日後に姪の一人に土地建物を遺贈 する旨の自筆証書遺言を作成。 → 「見舞いに訪れた親族の顔を識別出来たこと、退院時に往診した医師は本人の話の内容 を了解出来たこと等から遺言者は遺言当時、事理弁識能力を有していた」 (浦和地裁昭和58年8月29日判決) I 遺言者は78歳で遺言の7ケ月前から2ヶ月半脳梗塞で入院。 妻に前財産を相続させる旨の 公正証書遺言を作成。 → 「遺言者は遺言当時、財産の全部を妻に相続させることを内容とする遺言をする程度の 理解力、判断力は十分有していた」 (東京地裁平成5年8月25日判決) 参考資料 → 高齢者の遺言能力 (鹿野菜穂子立命館大学教授) |
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