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ガラパコズ携帯って何?

     
  南米の弧島ガラパゴス諸島には独特の進化を遂げた動植物が生息しており、
ダーウィンはここで進化論の着想を得たとされます。   日本の中だけで独自の
進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう特異な現象のことをガラバゴス化と
いいます。   その代表格が日本の携帯電話なのであって、ガラケー(ガラパゴス
ケータイ)と呼ぶそうです。  つまり、多機能かつ高度化して世界最高水準にある
のに世界標準には成り得ていないのです。   
  なぜこんなことになったのか。   それを考えるに当り携帯電話の予備知識を
整理して置きます。   まず、携帯にはPHSと携帯電話の2種類があります。
PHS・・・・家庭用デジタルコードレス電話(いわゆる子機)が発展したもの
       1995年に登場、現在のPHSの事業会社はウィルコム1社のみ。
  <長所> 音質がクリアで通信速度が速い、月額の基本料金・通話料が低額
      医療機器への影響が少ないので →病院の医療従事者が使用。
      基地局が沢山あるので →災害に強い。
      地下街や地下鉄内でもOK
  <短所> 利用可能エリアは人の居住地域に限定される。
      自動車内は時速60キロまでが限度。

携帯電話・・・・自動車電話が発展したもの。  
         1990年代から一般にも普及し始める。
   <長所>  利用可能エリアはPHSよりずっと広い、新幹線内や高速道路の
        自動車内でもOK。  普及率ではPHSを圧倒。
   <短所> PHSより音質や送信速度で劣るも料金は高い。

・日本の携帯電話のシェア
   NTTドコモ 47%、 au 27%、 ソフトバンクモバイル 20%、イーモービル 2%、
   ウィルコム 3%      (2010年10月現在)
    ※日本の携帯電話契約者は7200万人。 加入電話の契約者数より多い。

・世界の携帯電話のシェア
   ノキア 37.9%、サムスン 20.6%、 LG電子 10.1%、 ソニーエリクソン 4.4%
   RIM 3.0%、 アップル 2.6%     (2010年5月現在)
     ※RIMとアップルはスマートフォンのみの販売。
     ※ノキアはフィンランド、サムソンとLG電子は韓国。

  今販売されている携帯の殆どはフィーチャーフォンといわれるもので、カメラ・電子
メール・ワンセグ・おサイフケータイ・インターネット閲覧・音楽再生などの機能が付い
ています。
  しかし、最近売上を伸ばしている携帯端末はアップルのiPhoneとiPadです。  この
内、iPadは携帯化したパソコンで携帯電話機能はありません。  iPhoneはスマートフ
ォンともいいパソコン機能を搭載した携帯電話で、2011年末にはフィーチャーフォンを
追い抜くと云われています。 
  スマートフォンは機能の追加が可能でこれまでのように新機能の携帯電話が出た
と云っては買い替えるということも必要なくなりました。   従って、フィーチャーフォン
は従来型携帯電話、通常型端末と呼ばれます。
  実を云うと日本のメーカーはいち早くiモード(電子メール、ウェブ閲覧)という機能
を開発して2002年頃に国際標準化を目差したのですが、結局1兆5000億円の損失
をだして失敗に終わり海外市場からの撤退を余儀なくされるのです。
  日本製の携帯電話が国内市場だけで独自の進化を遂げている時に、ノキアなどが
それとは全く仕様が異なる機種を開発しやがて日本製の携帯電話と同程度の機能を
有する世界標準のフィーチャーフォンに進化させてこれが世界に普及していったので
す。 それが今度はアップルなどのスマートフォンが世界を席捲しようとしているのです。
                                           2011.2.5記




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