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< エッセー> 21世紀は環境ビジネス
☆ 次世代エコカー
これまでハイブリッド車(HEV)で一歩世界をリードして来たのは日本でした。 ホン
ダのインサイトやトヨタのプリウスは全米でも好調な売行きです。 HEV車という
のはエンジンとモーターが車軸につながっていて、エンジンで駆動する点では従来
の車と同じです。 ただモーターを発進時や加速時に補助的に使用して燃費を抑
えているところが新しいというものです。
しかし、GMが2009年に発表したシボレーボルトは、PHEV車と呼ばれるものでトヨ
タなどのハイブリッド車(HEV)とは構造が決定的に異なります。 共通なのはHEV車
もPHEV車もリチウムイオン二次電池(充放電可能な電池)を使用し、コストの大半が
この電池に費やされている点です。
さて、PHEV車は家庭用コンセントなどの外部電源から充電できるプラグイン方式で、
モーターだけが車軸につながっています。 エンジンは二次電池に充電する発電機
として使用し、60キロ以内ならモーターと電池だけで走れ、長距離はエンジンで発電
しながら1000キロを充電なしで走れます。
これからは風力や太陽光なども新しい電力源となります。 電気自動車であるPH
EV車ならプラグを通してこの新エネルギーを取り込めるのです。 PHEV車はタイヤ
の付いた蓄電装置と云われ、停車中にプラグインすることで逆に電力を家庭などに
供給することも出来ます。
このように電力の双方向性があることが、HEV車にないPHEV車の最大の特徴です。
つまり、PHEV車の方がHEV車の次世代エコカーと云えます。
☆ 水資源ビジネス
日本の常識は世界の非常識とよくいいます。 それは、水資源にも当て嵌まります。
日本は水が豊富にありますが、世界では不足しています。 水資源は地球上に偏
って存在しているのです。
地球上の水の99%が海水で、飲水に使用出来る水は僅か1%しかありません。
しかも、11億人が安全な水を得られず、22億人は下水などの衛生状態が悪いと云わ
れます。
その一方で、中国を始め新興国では急速な近代化に伴い、水質の悪化や砂漠化
が進んでいます。 湖の浄化や上下水道の整備事業などの需要は世界中に溢れ
ており、水資源ビジネスの市場規模は60兆円とも云われています。
しかし、これまでは水メジャーと呼ばれる本国政府の支援を受けた仏英の3社で上
下水道ビジネスの8割まで握られていました。
日本の大手企業は海水や汚染水の浄化技術で優れた技術を持ちながら、日本政
府の支援がなかった為に事業採算性(コスト高)がネックとなって参入に動けなかっ
たのです。
最近、やっと経済産業省は水ビジネスの海外進出を支援する専門部署を新設する
と発表しました。 同省は現地での事業化に必要なデータを収集し、高い技術を持つ
日本企業の海外進出を支援するといいます。
行政書士田中 明事務所