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    < エッセー> 「急いでいると悪魔が手伝う」



 
毎日新聞の平成21年 9月27日朝刊の余禄というコラムにこの言葉を見つけました。
アラブ世界で聞いた言葉だそうです。  日本の諺にも「急いでは事を仕損じる」という
のがあります。 世界のどこの国でもこれと同じような言葉はあるようです。
日本では「急がば回れ」が一番ポピュラーです。  因みに、語源は室町時代の連歌
師宗長の歌「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬戸の長橋」です。
  「急がば回れ」と同種の英語には、「Haste Makes Waste」や「Make haste slowly 
急ぐならもっとゆっくりしろ」があります。
  フランスには「ゆっくり行くものは確実に行く」がありますし、イタリアには「
ゆっくり行くものが遠くまで行く」があります。
                      
  諺というのは普段ほとんど意識していませんが、急いでいて悪い結果になった時など
には身に染みて感じられるものです。  そして、失敗してみて急がせていたものは自
分の欲や慢心だったと気付きます。
  欲や慢心こそ悪魔のご馳走なのです。
急ぐことが全て悪いのではなく、裏に欲や慢心がある場合が危険なのです。
そして、急がされている時というのは、案外自分の欲や慢心でそうしているとが多いのです。
「急いでいると悪魔が手伝う」という句は、それに気付けと云っているのです。
選択肢として安全航路でゆっくり行くか、又は何もしない方がいいということもあるのです。
古人もこんな歌を残しています。
 「一日に十里の道をゆくよりも、十日に十里ゆくぞ楽しき」(道歌)
       



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