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                     行政書士田中 明事務所


   < コラム >  本物のグリーストラップ浄化装置を開発せよ

  トンカツ屋さん、中華料理店、ラーメン屋さん、うどん専門店、弁当屋さん、居酒屋、焼鳥屋、レストラン、
パン屋さん、やきそば屋、うなぎ屋、カツ丼屋、喫茶店、食肉販売店などでは、排水に油脂分を多く含みます
から、グリーストラップという装置を厨房に設置しています。

 グリーストラップ(グリース阻集器)は昭和501220日建設省告示第1597号及び条例により
飲食店などに設置が義務付けられているもので、油脂分が下水管に放出されると下水管の損傷や詰
まりの原因となることから油脂分を排水から分離し収集して下水管に流さないようにする為の装置
です。


  グリーストラップ設置の根拠法令である昭和501220日建告第1597号では、建築基準法施行
令第
129条の25第2項第六号及び第3項第五号の規定に基づき、建築物に設ける排水のための配管
設備を安全上及び衛生上支障のない構造とするための構造方法を次のように定めるとして、

阻集器
(グリーストラップのこと)については
「イ 汚水が油脂、ガソリン、土砂その他排水のための配管設備の機能を著しく妨げ、又は排水の
   ための配管設備を損傷するおそれがある物を含む場合において、有効な位置に阻集器を設け
   ること。

 ロ 汚水から油脂、ガソリン、土砂等を有効に分離することが出来る構造とすること。
 ハ 容易に掃除ができる構造とすること。  」と規定しています。

 このように排水の中に油脂分を含む飲食店では上記法令に基づきグリーストラップを設置しなけ
ればならないのです。

 しかし、グリーストラップ浄化装置というのはグリーストラップの機能を補完する為の装置に過
ぎず、汚水から油脂を有効に分離出来る構
造の装置そのものではなくグリーストラップに該当しま
せん。


 ところで、グリーストラップ内部には油脂やゴミが溜まって来ますから掃除を怠ると悪臭や害虫が
発生する原因となります。  そこで、一般的にはバスケット
(ゴミの収集箱)は毎日1回、グリース
(
)の除去は週1回、沈殿物の除去は1ヶ月に1回、トラップ内部は23ヶ月に1回の清掃が必
要とされています。

  また、油脂分は産業廃棄物として処分する必要がありますし、グリーストラップの掃除をナマモノを扱う従業
員にさせることの衛生管理上の問題やバキューム吸引を清掃専門業者に依頼することのコスト高など、
飲食店経営者にとってグリーストラップの清掃は大問題になっていると云えます。

  そこで、グリーストラップ浄化装置と云うグリーストラップの清掃を軽減する機械を開発して販売する業者が
現れても不思議ではありません。    これこそ飲食店主にとって待ち望んでいた機械だからです。

  ところが、このグリーストラップ浄化装置というのは、どうも怪しげなものが多いようです。  
平成23年2月に倒産したサンテックスのグリーストラップ浄化装置などは、油脂分をただ細分化して流してい
ただけでなく、排水を撹拌するので硫化水素の逆流が起こって冷蔵庫を冷えなくするなど大変な欠陥商品で
した。

 日本阻集器工業会(グリーストラップの販売会社の任意団体)では、グリーストラップ本来の機能を
低下させることを理由にばっ気装置等をグリーストラップに追加的に設置することを禁止していま
すが、
サンテックスのグリーストラップ浄化装置はこのばっ気装置に該当していたのです。
 サンテックスは倒産するまでは年4回、店によっては月2回もグリーストラップの清掃に来ていた
ところもありますが、来なくなると忽ち機械の方も動かなくなったようです。   サンテックス
の場合はこの清掃を売りにして商売をやっていたようなものです。

 油脂分というのは下水処理の専門家でも分解とか浄化が難しいといいます。 その為にグリース
トラップの設置を法律で義務付けたのかもしれません。
しかし、全国に何十万とある飲食店の経営者はグリーストラップの清掃問題で悩んでいるのです。

 もし素晴らしい本物のグリーストラップ浄化装置が開発されれば、物凄い需要があると思われ
ますし、何よりも飲食店の従業員は清掃から解放されて大喜びすることになります。

                               

                     2012.12.21                              

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