内容証明郵便でブレイク !  第48号
              平成19年3月8日発行            
 
              今回の目次
        □ 偽装請負とは何か
        □ 従業員の自動車事故と車両保険



   □ 偽装請負とは何か

 格差問題の国会集中審議を見ていて、偽造請負という言葉を初めて聞きました。
どうも大分前からキャノンとか大手メーカーで常態化していたようです。

 偽装請負というのは、実態が派遣であるにも拘わらず、請負を装っていることです。
派遣であれば、1年又は3年以上派遣された労働者については、
労働者派遣法により雇用に努める義務が発生します。

 しかし、請負であれば、そんな義務はありません。
そこに、メーカーが偽装請負をする理由があったのです。
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 しかし、その労働者が業者から送り込まれて、指揮監督はメーカーが行っていた場合、
職業安定法で禁止する労働者供給事業を業者は行っていたことになります。
 これが請負とされる場合とは、業者が指揮監督をし、
仕事の完成につき全ての責任を業者が負う場合に限られるのです。

 つまり、業者は労働者派遣法に基づく許可又は届出の義務に違反しており、
メーカーも労働者派遣法に違反していたということです。
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 最近、新聞にも求人広告が目に付くようになりました。
バブル以後の不況期に急成長したのが派遣業でした。
その結果、所得格差が拡大して政治問題にまでなっているのが現在なのです。

 所詮、派遣も一種の徒花であり、
これからはサラ金業界と同様の運命を辿るであろうというのが私の見方なのですが・・・。


    □ 従業員の自動車事故と車両保険

 従業員が業務中に会社の車を運転して事故を起し、双方の車が大破したとします。
双方が任意保険に入っているとして、過失割合が7:3の場合、
会社の車の修繕費の3割が相手方保険会社から出ます。

 そこで、7割部分の修繕費は会社負担となりますが、
それを従業員に求償することは殆ど出来ないのが現状です。
判例によれば、この求償の範囲は信義則上、損害の5%相当額としています。

 ですから、従業員が業務中に自動車事故を起すと大変です。
その為には車両保険に加入する必要があります。
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 車両保険というのは、自動車保険の特約として任意に入るものですが、
盗難その他偶然の事故に支払われるものです。

 もつとも、最近では車両保険に入っていて盗難に遭った場合でも、
保険会社から偶然の事故ではないとされて不払いになるケースがあるようです。
 しかし、偶然でないことの立証責任は保険会社にありますから、
訴訟を起せば勝てるはずです。

 事故が発生しても警察に報告しない人がいますが、
交通事故証明書(盗難届けを含む)は保険金請求にはなくてはならないものです。
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 なお、車両保険の中には盗難に適用されないものもありますので、
加入時に保険契約内容を十分チェックすることが必要です。

 といっても保険契約の特約は複雑で、代理店の人でも説明が困難なのが現状です。
どこもここに隙間があるのです。
行政書士にとってフロンティアがここにあるのかもしれません。



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