内容証明郵便でブレイク !  第43号
              平成18年7月20日発行            

              今回の目次
        □ 保険金不払い問題に想う
        □ 保険金請求と支払督促



    □ 保険金不払い問題に想う

 昨年の明治安田生命に続いて、今年は損保ジャパン、三井住友火災といった
業界3位、2位の損害保険会社が金融庁の行政処分を受けました。
 
 保険会社のような大会社になれば、これまでなら行政指導で止まっていたはずです。
業務停止処分なんて悪徳商法の泡沫業者が受けるものでしたし、
それが一般の観念です。

 それが、今回は大手損保が次々と業務停止処分を受けたのですから、
未曾有の事態なのです。
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 そもそも保険金不払いなんて本来1件もあってはならないことです。
それが三井住友火災に至っては4万件以上も見付かったのだから、
異常事態である。

 特に第三分野の医療保険については、
無期限の契約・募集の禁止というもの凄く重い処分となりました。

 一体、保険金不払いの背景には何があるのでしょうか・・・・・。
マスコミ等でもあまり報道がなく、よく分からないというのが正直なところです。
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 さてここからは、私の僅かな経験に基く推論の域に入ることをお断りします。

 損保というのは、前々から出口の部分では渋いところがあったと思います。
自動車事故を例にしますと、損保では弁護士を雇っていて
保険金請求があれば前面に出して来ます。

 この弁護士というのが中々の曲者なのです。
実際に交渉に出て来るのは法律事務所の事務員なのですが、
これが矢鱈と専門用語を駆使して請求者を泣かせるのである。

 そして、交渉が平行線を辿りながら何か月も埒が明かないという状態が続きます。
被害者というのは、一般に資力が少ないのです。弁護士に頼める人は多くないはずです。
結局、被害者の方で嫌になって投げ出すのを狙っているとしか思えないのである。

 要するに、損保は弁護士を用心棒として雇っているのである。
こういう構図がまず基本的にあったと思います。
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 次に、保険会社の約款というのが矢鱈に難しいのである。
小さな活字で専門的な事項が沢山書いてあって、とても素人には理解し難い代物です。
また保険制度そのものが難解であり、学者の研究対象になる程に奥が深いのである。

 だから、こんなものを盾に弁護士が責めて来たら、被害者は一溜りもありません。

 結局、この保険金不払いというのは、
保険会社と請求者との間にある情報格差がひとつの原因になっていると思う。

 弁護士は大抵が保険会社の用心棒になり、
請求者の弁護士をやる人はいないというのが現状なのです。

 だから、この分野には隙間があるということです。
弁護士がやらないのなら、行政書士で出来るところまでカバーして請求者を
救済出来ないかと、考える次第です。


   □ 保険金請求と支払督促

 実は、当事務所でも1件保険金不払いの相談を抱えています。
依頼者には弁護士の高い着手金を払える資力がありません。
なにせ、店舗が火災で焼けた上、
長期の休業と保険金不払いで大変に逼迫しているのです。
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 結論は、本人が簡易裁判所へ支払督促を申立てることになりました。
保険金請求も金銭の給付を目的としている点で、支払督促の対象になります。
              
 書記官に確認したら、保険金請求の支払督促は今までなかったようで、
調べてくれ、OKを貰いました。

 事実関係の整理や情報の収集をする中で、
約款を読んだり、判例を勉強する機会が持てました。

 保険会社は故意による事故として免責を主張しているのですが、
故意の立証責任は保険会社にあります。
 昨年、最高裁判決が出ています。

 さあ、今年はますます暑い夏になりそうです。

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