内容証明郵便でブレイク !  第22号
               平成16年9月27日発行

             今回の目次
        □ 行政書士と民事法務
        □ 業際問題雑感



 □ 行政書士と民事法務

 これから民事法務の分野に関わる行政書士は、増えるであろうと思います。
行政書士で十分対応出来る分野で、かつこれまで手薄だった分野が
まだまだあると思うからです。

 例えば、少額訴訟の対象になるような小額の案件なんかは、
弁護士も相手にしていなかったはずです。
 当事務所にも時々、弁護士は何もやってくれないと言って
相談メールが来ることがあります。
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 特に連帯保証人の問題なんかは、弁護士は全く相手にしないようです。
よく話を聞いて見ると、連帯保証人の署名は自分でしていない、つまり
無権限者の代筆であるとして無効を主張出来るケースとか、
債務者に不実の告知があり、消費者契約法の取消の対象になるケース
の場合があります。
 このような場合、内容証明郵便で通知書を書いて上げれば、
大変依頼者に喜んで貰えます。
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 これもよく言う予防法務ではないかと、私は思います。
つまり、これは債権者に対して牽制球になり、少なくても
訴訟を起しても拗れそうだという印象を債権者に与えるからです。
 債権者の出方を追跡して見ないと何とも言えない面があるとしても、
これまでなら契約書に署名・捺印があるというだけで勝てたものが、
勝てるという見通しが付かなくなるはずです。

 事実、無権代理の代筆を主張されて、債権者が代筆の代理権限を立証する
なんてことは至難の技なのです。
 なぜ代筆を主張されれば債権者が苦境に立つかというと、債権者は連帯保証人に
保証意思の確認や面前自著を怠っているのが通常だからです。
 法律的には義務づけられていないからといって、連帯保証契約の当事者として
信義則上その義務はあるのであり、それを懈怠している以上、
そのリスクは債権者が負担して当然です。
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 こんな風に、民事法務の分野には面白いことがまだまだあるのです。
そおいうことを掘り起こすことは楽しいことですし、
依頼者が泣寝入りをしないで済むなら、こんな嬉しいことはありません。
 こんなことを少しずつ積み重ねていけば、
行政書士が事務弁護士として認識される日も近いかもと想う次第です。


  □ 業際問題雑感

  大阪の行政書士が直接加害者と損害賠償の交渉をして、
弁護士法72条違反で逮捕されたそうです。
 これは行政書士はどこまでやれるのという問題の格好のテキストになります。
やっぱり、行政書士が直接相手と面談して、
金銭を払わせようという行為はダメなのです。
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 もっとも、交通事故の損害賠償で
損保と行政書士が示談交渉するという局面は、あるようです。
 しかし、この場合も書面のやりとりが主で、交渉というより協議に近いものです。
損保なら専門家ですし、対等の立場は崩れません。

 しかし、無防備な個人をじかに相手にしての交渉となると、話が違います。
これを許せば、示談屋や事件屋が跋扈して、
個人の権利が害される危険が高いわけです。

 ですから、弁護士法72条では弁護士以外の交渉代理を禁止していますが、
警察は動くぞというのは、行政書士が示談屋や事件屋みたいなことをやった時、
つまり関係が対等でなく、その格差を悪用して高圧的にサラ金の取立てのように、
威圧するような態度を取って交渉したという場合だと考えていいでしょう。
 これは社会常識とも一致します。
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 結局、行政書士は内容証明郵便を使って如何に相手を諄諄と説得するか、
そこに最大のエネルギーを注ぐべきで、それで解決しない場合は弁護士に交渉を
委ねるというのが然るべき流れなのです。
 損害賠償請求に関しては、行政書士によるワンストップサービスの提供は、
無理なケースがあるよというお話でした。

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