内容証明郵便でブレイク !  第1号
               平成15年7月18日発行

             今回の目次
        □ 周りを見回して見る
        □ 過払い返還請求について



 □ 周りを見回して見る

  行政書士の田中 明と申します。
 この度は、読者登録をして戴き、誠に有難うございます。

  これから活用が益々期待される内容証明郵便の利用法について、
 毎回コツコツ書いて行こうと思いますので、
 末永くご愛読の程宜しくお願い申し上げます。
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  今日は創刊号ですので、少し目線を高いところに置いて見ます。
 今、日本は大変革の時代を迎えています。
  戦後50年でこんな激しい変革は、経験したことがありません。
 商法をひとつ取っても、特に平成13年、14年の改正は「商法大改正」と呼ばれ、
 会社のシステムやあり方を根本から変えるものでした。

  あまりに変化が激しく、改正の回数も多すぎて、
 会社法のテキストは書けないと嘆く商法学者がいるくらいです。
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  今年の2月からは、資本金が1円でも会社設立が可能になりました。
 これは、商法の特別法である中小企業挑戦支援法で、
 設立時の最低資本金制が撤廃されたことによる結果です。

  アメリカには最低資本金制なんて初めからなかったのですから、
 日本もベンチャー企業の創業インフラ面で、やっと追い付いたのです。
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  さて、目線を下げて貴方の周囲を見回して見ましょう。
一つや二つ、未解決の法的問題が見付かるのではないでしょうか・・・・。  
 法的問題とは、法律を適用して解決出来る問題という意味ですが、
ほとんどがこの法的問題になるはずです。

  例えば、悪徳商法に引っ掛った、リストラで一方的に解雇された、
 未払い賃金がある、サービス残業が酷い、セクハラに遭っている、
 交通事故による慰謝料が低すぎる、商品の欠陥で負傷した、
 敷金が戻って来ない、婚約を破棄して結納を取戻したい、
 離婚したが養育費を払って来ない、ストーカー行為を止めさせたい、
 借金の違法な取立てを受けている・・・・などなどです。
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  これらすべてが、れっきとした法的問題です。
 絶対に泣寝入りなどせずに、法律を盾に毅然とした態度で臨みましょう。

  こちらの意思をきちっと内容証明郵便にして、相手方に伝えるだけで、
 意外にコロット解決することだってあります。
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  ですから、まず行政書士に相談して見て下さい。
  私の事務所は、1回目は無料です。どうぞお気軽にメールを送って下さい。


  □ 過払い返還請求について
      
  未曾有の低金利時代が、いつ終わることなく続いています。
 銀行や郵便局の定期預金にしても、何の楽しみもありません。
  その一方で、実に不思議なことですが、消費者金融会社は高金利を維持し
 莫大な利益を計上しています。

  年27%前後の利息を取っているのですから、儲かるのが当り前です。
 なぜこんな高金利が堂々と許されるのか・・・・・・。
 これは、前々から私の解けない疑問のひとつでした。
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  日本には、昔から利息制限法という法律があります。
 この法律によると、
       元本10万円未満             年20%
       元本10万円以上100万円未満    年18%
       元本100万円以上            年15%  
                          が利息の上限です。
  そして、これを超える部分は、無効とされます。

  つまり、50万円を年27%で借りたら、年9%の部分は無効となり、
 支払わなくてていいのです。
  
  なのに、消費者金融を利用している人は、知ってか知らぬか
 年27%の利息を払い続けています。
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  これは、一体なぜなのでしょうか・・・・・?
 この世界は、まことに複雑怪奇です。
  貸金業規制法という業者を規律する法律が別にあって、
 ここの43条に「みなし弁済」と呼ばれる条項があるのです。
  つまり、「みなし弁済」の要件を満たした場合には、無効な利息の支払も
 例外的に有効になるというのです。
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 「みなし弁済」の要件とは、次の5つです。
  1.債権者が貸金業登録業者であること
  2.契約の際、貸金業規制法17条の要件を充足する書面を交付していること
  3.弁済の際、貸金業規制法18条の要件を充足する受取証書を、
   直ちに交付していること
  4.債務者が、約定金利による利息を利息としての認識で支払ったこと
  5.債務者が、約定金利による利息を任意に支払ったこと
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  過払いに関して訴訟になると、貸金業者は「みなし弁済」を主張します。
 しかし、裁判所は「みなし弁済」要件を厳格に解釈し、
 ひとつでも要件を外すと「みなし弁済」を否認する判決が、
 圧倒的に多いのです。
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  平成9年2月22日の東京地裁判決は、特に画期的な判決です。

  ATM(現金自動預入支払機)を利用しての返済に関するものです。
 ATMで返済すると、元本、利息、遅延損害金にそれぞれいくら充当した
 という明細書が発行されます。  

  しかし、これでは、事後的に債務者が
 約定金利による利息の額を知るに過ぎず、
 債務者が約定金利による利息としての認識で任意に支払ったとは
 いえないとしたのです。
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  この判決により、現在ではほとんど「みなし弁済」の主張は、
 通らなくなりました。
  「みなし弁済」が通らないと、利息制限法を超えて払った部分が
 過払いとなり、当然に返還請求が出来ます。

  ですから、消費者金融から借りている人は、今すぐ利息制限法の利率で
 再計算して見るべきです。

  再計算の結果、元本の返済は既に終わっている人も出てくるでしょう。
 元本が0になれば、利息はもう付きません。 
  それなのに払っているとしたら、そのすべてが過払いなのです。
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  中には、貸し借りを何回となく繰返し、手元に全部の資料がないので、
 自分では再計算出来ないという人もおられるでしょう。
  その場合は、消費者金融会社に取引内容の開示を請求しましょう
 
  消費者金融業者には、取引内容を10年間保存する義務があります。
  また、取引内容の開示義務は、大蔵省銀行局長通達で定めており、
 これに違反した業者に損害賠償を命じた判決も出ています。
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   まずは、取引内容の開示請求をして、再計算してみましょう。
  もし過払いがない場合でも、確実に残元本は減ります。
   それから、任意整理にするか、特定調停にするか、訴訟にするかを決めれば
  いいのです。

    主張すべきをちゃんと主張すれば、必ず見返りはあります。
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  取引内容の開示の請求も過払いの返還請求も、
 内容証明郵便でしましょう。
  それが最も効果があるからです。

  ただし、文面的にはかなり法律知識が要りますので、
 行政書士などに一度ご相談されるのがよろしいでしょう。

  今日は、パラダイムの変化を受けて制度的変革が進む中、
 それから全く取り残されたような複雑怪奇な世界があることを書きました。

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