情報のコーディネーター  第161号
     
         令和7年12月3日発行
         窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。

                     今回の目次       
         □  黒潮の大蛇行と漁業や天候への影響


  気象庁の発表によると、2017年(平成29年)8月から7年9ヶ月(過去最長)続い
ていた黒潮の大蛇行が終息す.る模様であると云う。

 そもそも、黒潮とはどんな海流であり、黒潮の大蛇行はなぜ発生したのか。


<黒潮について>
 
  黒潮は、東シナ海から日本列島の南岸を北上する暖流で、黒潮の流れは
幅100キロ、深さが1000メートルもあり、世界最強の海流の一つです。

 黒潮と呼ばれて来たのは、透明度が高い為に海流が黒っぽく見えるからと
されます。
 
 流れは秒速2.5mにも達し、水量は毎秒2000万~5000万トンもあり、アマゾン
川の100倍以上です。

 
< 黒潮大蛇行について>

  黒潮が紀伊半島沖で(海底山脈付近で発生した渦、冷水塊)に弾かれたり
挟まれたりして、真っすぐに流れることが出来ず、

紀伊半島から東海沖にかけて南に大きく迂回して流れることを余儀なくさ
れたのが黒潮大蛇行
です。

  
  今年に入ってから、冷水塊が南でちぎれて黒潮と本州との冷水域が縮
した為、黒潮の蛇行幅が小さくなりもはや大蛇行とは云えなくなったのです。



<黒潮大蛇行の漁業への影響>

  ずっと不漁が続いていたサンマやスルメイカが今年は豊漁となっていま
す。 
 

  これ対し、ここ数年豊漁だったカッオが5月から減り始め7月から最盛期の
10分の一に減っています。


  ニュースでは、黒潮大蛇行により遥か沖合に遠ざかっていたサンマの漁場
とスルメイカの妨げられていた北上コースが元に戻って来たとか、

カツオの不漁は漁場が逆に遥か南に遠ざけられてしまったからと報道されて
います。


  しかし、小松正之氏や片野歩氏らの漁業研究者に拠れば、サンマやスルメ
イカの漁場が戻ったと云える状態ではなく、







  そもそも、黒潮大蛇行の終息とは無関係であり、もっと本質的な資源管
の問題があることを一切報道していないと批判しています。

 
  以下に両氏の主張を整理して書きます。

 ・  サンマの主力漁場は、太平洋側の公海(サンマの9割以上が漁獲
   れている)である。   日本のEEZ内のサンマの漁獲量は、現在では台湾
   と中国が日本を追い抜いている。


 ・   スルメイカの主力漁場の一つは日本海であるが、何れも黒潮の大蛇行
   により影響を受けている海域(太平洋中区 スルメイカの漁獲量は全体の
   2%に過ぎない)から遠く離れている。

    日本海側ではスルメイカを中国・韓国・日本の3ヶ国で漁獲しており、
   獲り過ぎによる資源そのもの減少が不漁の原因である。
    



<黒潮大蛇行の天候への影響>
  
  関東・東海の記録的猛暑、大雨や雷の増加は、黒潮大蛇行により盛んに
水蒸気と熱が供給され、湿度が上がり気温が上昇し、対流が活発になった
結果とされています。


  そもそも、黒潮大蛇行は地球温暖化とも関係があると云われています。

  日本近海の海面水温の平均上昇率は、100年当り+1.24℃(世界平均
は+0.6℃
)と大きいのです。

  これにより大気への水蒸気供給量が増え、雨が降り易くなり、台風も発達
し易くなっているのかもしれません。



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