職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第179号        
                 令和4年12月13日
     職人型内容証明仕掛人が一発解決を目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
 
                   今回の目次
            □
 付郵便送達と公示送達の違い

 
  民事訴訟は、訴状や呼出状などが相手方に送達されたことを裁判所が確認後
に開始されるのが通常です。

  通常の送達完了時とは、被告等が受領印を押印して受領した時とされてい
ます(民事訴訟法第101条)。 
 また、訴訟係属時とは、訴状の送達時とされています。

  なお、通常送達は住所、居所、営業所又は事業所が原則ですが、やむを得ない
場合には就業場所送達を裁判所が認める場合があります(民事訴訟法第103条
2項)。

  同居人が受領しても送達になります。  就業場所送達では使用人その他の
従業員が受領すれば送達になりますが、就業場所の同居人が受領しても送達に
はなりません。


  しかし、相手方が受取ろうとしない場合や、相手方の所在が調査しても不明の
場合があります。 その場合に使われる特別な送達方法が付郵便送達又は公示
送達で、裁判所が許可すれば利用出来ます。

  実際に、相手方が受取る場合が5割程度で、付郵便送達が3~4割、公示送達が
1~2割あるとされます。


 「付郵便送達すべき受送達者の住居所は、受送達者が発送時において現
  に居住又は現在しているなどの実体を伴うことを要する」

        (仙台高等裁判所秋田支部平成29年2月1日判決)

  従って、相手方が行方不明だが勤務先が分かっていて受取らないという場
合に
は付郵便送達を利用出来ず、公示送達を利用することになります。
 

  なお、この送達方法では、相手方が訴訟の提起を知らないまま裁判が開始され
るのが普通なので、知らぬ間に敗訴が確定して預金などが差押えられる可能性が
あることになります。



1 付郵便送達(ふゆうびんそうたつ)

   付郵便送達は、裁判所が書類を発送した時に送達が完了したと見做す
 
送達方法です(民事訴訟法第107条3項)。

   相手方が送達先の住所に住んでいたり、勤務先に勤めているのに、郵便物を
 受け取らず(居留守)、郵便局から保管期間切れで裁判所に返送される場合があ
 ります。

   付箋の返送理由が「保管期間経過」であれば、その場所に住んでいる可能
 性が高いので、裁判所は付郵便送達を認めることが多くなります。

   しかし、本人訴訟の申請人が相手方の偽の住所を郵送先として「この住所か
 ら本人が出て来たのを見ました」などと嘘の申告をし、裁判所が嘘に気付かず
 付郵便送達を認めたケースがない訳ではありません。 
 
   その場合は、再審査請求により判決の取消を求めなくてはならなくなります。





   付郵便送達の申請には、必要な調査をして現実に送達される可能性があること
 (送達先に居住又は現在している実体があること)、相手方が逮捕・拘留など(届く
 可能性がない)がないことを立証する必要があります。


   基本的な調査は、以下の通りです。

 イ 住民票の取得
    移転の記載がなければ、同住所に住んでいる可能性が高くなります。

 ロ 住所地の訪問
    旅行や入院で不在だった為受取れなかったと分かることがあります。

 ハ 自宅や周辺の状況
     郵便受けに郵便物やチラシなどが溜まっていない、電気や水道のメーター
   が動いている(電気や水道料金の未払いで止められていない)、干してあった
   洗濯物が取り込まれていたり室内の灯りが点いているなど




2 公示送達

    相手方が行方不明であり、分かっている勤務先に出しても受け取らないなど
 付郵便送達が使えない場合、それを立証し裁判所が掲示板に呼出状を掲
 示 して
2週間経過すると相手方に送達したと見做す送達方法です。

   付箋の返送理由が「転居先不明」「宛所に尋ねあたらず」であれば、相手
 方はその住所に住んでいないことになります。

   相手の所在が分かっているのに公示送達にされて敗訴した相手方は、判決
 に対し上訴することが出来ます(民事訴訟法第97条)。



3 選択する時の判断基準

 付郵便送達 →  相手が裁判所からの書類の送達を知り得る状態にあるにも
           拘わらず受け取らない場合

 公示送達  →   相手が裁判所からの書類の送達を知る由もない状態にある
           場合で、相手の所在が全く分からない場合


4  裁判での違い
  
  付郵便送達 →  期日に相手方が出頭しなかった場合、擬制自白が成立し、
            勝訴判決となる可能性が極めて高い

  公示送達  →   相手方は提訴を知らない為、裁判所に証拠を提出して
            裁判官に判断して貰うので、証拠がないと敗訴の可能性
             があるものの、証拠があれば勝訴判決となる確率は高い

  


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